脳梗塞後に起きやすい嚥下障害と誤嚥のリスクについて
こんにちは。六本木ルアナ歯科 院長の宮本幸奈です。
訪問歯科の現場では、脳梗塞を経験された方と出会う機会が多くあります。その中で特に注意が必要なのが「嚥下障害(飲み込みにくさ)」です。今回は脳梗塞と嚥下障害の関係、そして誤嚥のリスクについてご紹介します。
脳梗塞と嚥下障害の関係
脳梗塞は、脳の血流が途絶えてしまうことで神経がダメージを受ける病気です。後遺症として片麻痺や言語障害がよく知られていますが、実は「嚥下障害」も非常に多く見られます。
脳の嚥下中枢や運動をコントロールする神経に障害が起こると、
- 舌の動きが弱くなる
- 食べ物を喉の奥に運ぶ力が低下する
- 気管に入りやすくなる(誤嚥) といった症状が出てきます。
誤嚥のリスクとは
嚥下障害があると、食べ物や水分、さらには薬までが誤って気管に入りやすくなります。これが「誤嚥」です。
誤嚥を繰り返すと、次のようなリスクが高まります。
- 誤嚥性肺炎:細菌を含んだ唾液や食べ物が肺に入り炎症を起こす
- 栄養不良:食べにくさから食事量が減る
- 生活の質の低下:食事への不安や恐怖から食べる楽しみが失われる
特に誤嚥性肺炎は高齢者の入院原因として多く報告されており、早期の対応が欠かせません。

ご家族が気づきやすいサイン
「飲み込みにくさ」は本人がうまく言葉にできないこともあります。ご家族が気づきやすいサインには次のようなものがあります。
- 食事中によくむせる
- 食後に声がガラガラになる
- 痰や咳が増えた
- 薬を飲み込むときに時間がかかる
こうした変化が見られたら、嚥下障害の可能性があるかもしれません。
訪問歯科でできること
六本木ルアナ歯科 訪問部では、嚥下障害が疑われる患者さんに対して以下のようなサポートを行っています。
- 嚥下内視鏡検査(VE) による飲み込み状態の評価
- 義歯やお口の状態を整える処置
- 歯科衛生士による嚥下リハビリの導入
- 他職種(内科医・看護師・リハビリ職・薬剤師)との情報共有
嚥下障害は「早めに評価し、適切に対応する」ことで誤嚥性肺炎のリスクを大きく減らせます。

まとめ
脳梗塞の後遺症の一つとして現れる嚥下障害は、見過ごすと誤嚥性肺炎や生活の質の低下につながります。
「むせやすくなった」「薬が飲みにくい」と感じたら、ぜひ六本木ルアナ歯科訪問部にご相談ください。



