「もう何もしない」ではなく「そっと見守る口腔ケア」という選択
〜終末期に、歯科ができること〜
こんにちは。東京都港区世田谷区を中心に訪問歯科を行っている六本木ルアナ歯科の宮本 幸奈です。
今日は、誰もが悩む終末期のケアについてです。
「このまま、そっとしておいてあげたい」
終末期を迎えたとき、
多くのご家族がそう思われます。
- これ以上つらいことはさせたくない
- 病院や治療で、もう十分がんばった
- できるだけ静かに過ごさせてあげたい
そのお気持ちは、とても自然で、やさしいものです。
終末期に、無理に歯科治療はさせません
まず、安心していただきたいことがあります。
終末期に、歯を削ったり、抜いたりすることはありません。
無理な治療や、苦しい処置もしません。
歯科が行うのは、
その人が、少しでも楽に過ごせるようにするための口腔ケアです。
口の中の不快感は、言葉にしづらいものです
終末期になると、
- 口が乾いてヒリヒリする
- 舌や頬に汚れがたまる
- 痰が絡んで、息がしづらくなる
こうした不快感が出てきても、
ご本人がうまく言葉にできないことが多くなります。
「何も言わないから大丈夫」
実は、我慢しているだけということも少なくありません。
そっと整えるだけで、楽になることがあります
終末期の口腔ケアは、とても静かで、やさしいものです。
- 乾いた口の中を、しっとり保湿する
- 舌や粘膜を、傷つけないように清潔にする
- 痰が絡みにくくなるよう環境を整える
それだけで、
呼吸が楽になったり、表情が穏やかになる方もいらっしゃいます。
「食べるため」ではなく「苦しくならないため」に
終末期になると、
「もう食べられないから、口のケアは必要ない」と思われがちです。
でも、口腔ケアは
食べるためだけのものではありません。
- 息をしやすくする
- 口の中の痛みや不快感を減らす
- 最後の時間を、少しでも穏やかに過ごす
そのためのケアです。
義歯を使わなくても、歯科は寄り添えます
終末期では、無理に義歯を使う必要はありません。
でも、
- 義歯を外したあとの歯ぐき
- 使われなくなった口の中
は、実はとても乾燥しやすく、傷つきやすい状態です。
何もしないより、
そっと整えてあげることが、苦痛を減らすことにつながります。
歯科は、
何かを“する”ためではなく
何もしない時間を、より楽にするために関わることもできます。
ルアナの訪問歯科が大切にしていること
私たちは、
「最後まで、その人らしく過ごせるように寄り添う」歯科でありたいと思っています。
ご本人の状態や、ご家族の想いを大切にしながら、
必要なことだけ、静かに関わります。
どうか、ひとりで抱え込まないでください
終末期の選択に、
正解も、不正解もありません。
迷ったとき、悩んだとき、
「こんなこと相談していいのかな?」という段階でも大丈夫です。
歯科は、
最期の時間にそっと寄り添うこともできる医療です。



