加齢とともに薬が飲みにくくなる?嚥下障害と訪問歯科ができること
こんにちは。
港区世田谷区を中心に訪問歯科診療を行っている六本木ルアナ歯科の宮本 幸奈です。
高齢になると、毎日の服薬が欠かせない方も多いと思います。
ところが「薬が喉につかえる」「錠剤が飲みにくい」「むせてしまう」といった声は少なくありません。
実はその背景には、加齢による嚥下(えんげ)筋力の低下が関わっているのです。
なぜ加齢で薬が飲みにくくなるのか?
嚥下とは「食べ物や薬を飲み込む」一連の動きのこと。
舌・喉・咽頭・喉頭など、多くの筋肉が協力してはじめてスムーズに行えます。
しかし加齢とともに筋力は衰え、次のような変化が起こります。

- 舌の力が弱まり、薬をうまく喉へ送れない
- 喉の筋力が落ちて、飲み込みの瞬発力が低下する
- 喉頭を閉じる力が弱くなり、薬が気道に入りやすくなる
その結果、薬を飲んだときに
- 喉につかえる
- 咳き込む
- 声がガラガラになる といった嚥下障害のサインが現れやすくなるのです。
錠剤は意外と誤嚥リスクが高い

「飲みやすそう」に見える錠剤ですが、嚥下障害がある方にとっては実はリスクが高い形態です。
- 固くて大きいため、気道に落ちやすい
- 水に溶けにくく、喉で引っかかりやすい
- 重みがあるため、誤って気道に入るとむせ込みやすい
「錠剤を飲むときに咳き込む」「薬が口の中に残っている」場合は注意が必要です。
ご家庭でできる工夫
もしご家族に「薬が飲みにくい」と感じている方がいたら、次のような工夫も役立ちます。
- 服薬補助ゼリーを使う → 滑りをよくして安全に飲みやすく
- 顎を軽く引いて座位で服薬する → 気道を守りやすくなる
- とろみのある飲料で服薬 → 誤嚥リスクを減らす
- 薬剤師や主治医に相談して剤形を変更(OD錠・液剤・粉薬)
訪問歯科でできるサポート
六本木ルアナ歯科 訪問部では、嚥下障害が疑われる方に対して次のようなサポートを行っています。
- 嚥下内視鏡検査(VE) で「飲み込む力」を評価
- 口腔ケアや義歯調整 による嚥下機能改善
- 服薬時の姿勢や工夫の提案
- ケアマネ・訪問看護との連携による安心の在宅サポート

まとめ
加齢による筋力低下は誰にでも起こる自然な変化です。
「薬が飲みにくい」「むせやすい」といった症状は、嚥下障害のサインかもしれません。
ご家族の健康を守るためにも、早めに気づいて対応することが大切です。
六本木ルアナ歯科 訪問部では、ご自宅での嚥下評価・服薬支援を行っています。お気軽にご相談ください。